仮面福祉会

できることを切り売りしています

親切だからって喜ばれると思うなよ

台風が来るのか来ないのかわからないが、現実は平常の雨で、1日降り続くというから長靴と長傘を選ぶ。それから長袖のシャツにした。

歩き方のせいか傘のせいか、長靴の履き口から時々雨水が入る。常駐先で靴を脱いだら、右の靴下の先が濡れていて、何のための、とがっかりする。
雨足が強くなった頃にペアの子が遅れてきて、足元を盛大に濡らしている。常駐先の職員さんたちが、やれドライヤーを使えだの、タオルを貸すかだの、着替えはあるかだの、次々に母親力を見せつけてくる。私なぞはそれらが自分に向けられたものではないのに、うっとおしく感じられるのに、ペアの子は素直にありがたがって受けていて、人間の差を感じる。普段、関わろうとして接触を試みるも支援を断られる人たちがいるが、自分はどちらかといえば、その気持ちがわかる側にいる。

相談会の日で、ボッチャに参加する。少し前にスイッチでボウリングをする会にも出たが、ボッチャでこれだけ盛り上がるなら、わざわざesportsにする理由がなさそうだと思うぐらい、リアルの強さを再認識する。

午後は、ヤングケアラー支援をテーマとした研修。最後にアプローチ方法の例として、イギリスで実施されている家族ケア会議みたいなのの映像を見る。統合失調症の息子に対して、親が、祖先の呪いだとか黒魔術だとか言っていて、文化の印象が強すぎで本題が薄れてしまう。
目下、かつてヤングケアラーだった、児童の頃から家族のケアをしていて自立しそびれている成人について、どうしたものかと悩んでいる。本人は家庭内に役割があるから、むしろそのままでいたいだろう。考えていると、そもそも介入すること自体、我々の型に嵌めようとしているだけではという気がしてきてすっかり迷子である。

終業後、元担当の暑気払いに誘われており、行く。
今の職場に馴染めていない感じは全くないが、こちらは純然たるホームだから、気安さが全然違う。他愛のない話しかせず、むしろもっと仕事のことで聞きたいことはあったのだが、と、後から消化不良になった。

余程仲の良い、昔からの友達なんかでなければ、プライベートなことを話題にすることがすっかりなくなったが、反動か、下世話なことばかり話す飲みをやりたい。