仮面福祉会

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仕事の三角州

夜明け前、窓に雨がザンザン当たる音で目が覚める。
目覚ましで起きたときは、静かだった。粛々と支度をしながら情報を見るが、電車もいつも通り動いている模様。出る直前に雨足が強まる音がしたから、レインウェアの下だけ履く。近年シャカシャカしたパンツが流行っているらしいが、レインウェアで似た感じになるかしらと鏡を見たが、そんなことはなかった。
長傘をさして駅を目指すが、ゲリラ豪雨ほどではなく、風もない。職場の最寄り駅に着いたらむしろ雨は止んでいた。

閑散とした職場で朝のミーティングを済ませ、常駐先へ向かう。いつもどおり入り口が開け放たれていて、やるな、と思う。

いつ雨風が強くなるかわからないので外に出られない。いつも電話がつながらない人に電話をかけると、狙いどおりつながり話ができる。
成果と言えばそれぐらいで、あとはやってもやらなくてもいいことで時間をこなす。その流れで所属先の同期にラインをすると、管理職が全然出勤してないから閑散としているという。上司が働かず、あとは新人しかいないから、自動的に仕事が集まる、三角州みたいな存在になっている同期がちょっと、羨ましい。それに見合った給料さえもらえれば。

結局大した雨は降らないまま、終業時間を迎えた。

母から、入院している祖母について報告がある。
入院する原因となった症状は改善されたものの、住まいに戻るのは無理だという判断で、叔母が施設入所でことを進めているいう。長男である父が祖母にノータッチであるから、全権を叔母にゆだねる他ない。と、わかっていながらしかし、祖母の頭がクリアなのは得難いことだから、本人の納得を得てからことが進むことを、願ってやまない。