仮面福祉会

できることを切り売りしています

何も起こらないRPG

薬の甲斐なく、むしろいつもよりひどくじんましんで右往左往する深夜。記録を取るために着けていたスマートウォッチの結果、起床の記録が30分を超えている。ただ、後半2時間で深い眠りを稼いでいて、なぞだ。

日差しはないが、曇りの中にこもるような暑さ。そんな中、午前は街を歩き回る仕事。
民生委員さんの家の前からスタートし、ポイントごとで住人さんの話を聞いたり、家先でザクロジュースをご馳走になったり、施設の職員さんの話を聞いたりする。途中で同行者が減ったり増えたりし、別れ際に「次はあそこへ行くと良い」みたいなアドバイスをもらったりする。
完全にゲームである。
2時間近く歩き回り、公園に到着し、パーティーは解散した。

ついでに寄った施設で、水でも飲んで行きませんかとありがたくも言っていただくが、歩き疲れ一刻も戻りたい気持ちが勝ち、反射的に辞退してしまった。ここで上がり、話を聴き、アセスメントとするのが仕事なんだろうが、元来のせっかちを疲れで抑えきれなかった。

途中で会った、高齢者の介護予防サロンを主催しているような人が「痴呆になりたくない」と言うのを聞き、暗澹とした気持ちになる。多分多少の研修を受けているはずの人だが、長年の表現と考えは変わらないし、そういうサロンをやるような人でもそうなのだから、一般の人はなおのことだ。
福祉分野で働く我々は、認知症になっても、なるたけそれまでと同じ暮らしができる、そのままの人を受け入れられる社会づくりを目指しているが、認知症になる、ならないの境界線の存在は、未だに太く深々としている。

午後は特段の予定がなく、すると昨夜寝られていないという意識からひたすらに眠くなってしまう。しんど過ぎるから、暑いのを承知で出かける。幸い自転車は電動で、自身が暑くなる前に目的地に到着できる。

終業後、今度行くボランティアの説明会に出る。
平日3日を費やすから比較的年齢層が高い。回を重ね説明はかなり抜かりないよう聞こえたが、それでも出る質問はかなり細かく、それぞれの「俺」にフォーカスされていて興味深い。過去に参加した同様の活動でも、必ず1人はクセ強めの人がいたなと思い出した。運営側の苦労がしのばれるし、自分のグループにあんまり「俺」が強い人がいないといいなと思う。

昨夜の症状から、思い切って薬の量を増やし、寝る。