仮面福祉会

できることを切り売りしています

昔、とはいつのことを言いますか

単純に夜更かしをしており眠い。

江戸と歌舞伎の話をこんこんと聴く機会を得る。1700年代あたりは、3対1ぐらいの割合で男が多かったため関係性において女性優位で、仕事もすれば離婚も再婚も女性主導でしていた、という話を聞き、時系列について考える。
現在につながる価値観の多くは明治時代に作られた、というのは司馬遼太郎とドナルドキーン対談で読んだような気がする。また、日本の伝統文化と取り扱われているものも、この2、300年で段々ブラッシュアップしていったものだという話も折々耳にする。

今の常識が作為的に作り上げられていたり、ほんの何十年単位で常識になったものだったりするということについて、訳知り顔で発言されているのをSNSやらテレビやらで見ることも多く、時々うんざりする。ただ、伝統や常識はだから、そんな必死になって継承していかなくても良いんだなと思って安心する。廃れるなら廃れるで自然なことだ。

有象無象が江戸に集まってくるとか、人が多く土地がないので家が狭いとか、江戸三座の歌舞伎は高いから普段は小芝居を見ていたとか、今の東京とあまり変わらない状況の話も面白かった。江戸時代に戻っても今より良くなるわけじゃないんだなと思うとこれも安心する。そう、今より昔が良かったとは、あんまり思いたくないのだ。

だが、月に10日も働けば家族を養えたという話については、バカみたいに単純に羨ましかった。本当に、本当かな。