アラームで起きたが大変眠たい。いつもは勝手に目覚めるのに、なぜか。
昨日お酒を飲んだせいである。
ゴミを出すためにやむなく起きる。
今週届いたレンタルのロボット掃除機は、以前借りていた物の上位版で、自動でゴミ収集するステーションが付いている。これで毎週のゴミ出しストレスがひとつ減った。
掃除は不在中にするよう設定しているから、存在感が全然ない。ないのに、私のストレス源がひとつひとつ減っていく。過分にありがたい未来かよ。
プログラムが始まって程なく、夜に行く歌舞伎チケットを家に忘れたことに気付いた。
取りに戻っても、次の予定に間に合うだろうか。そのシミュレーションと計算で頭がいっぱいになりながら、腕と背中を鍛える動作をし、何をやっているんだおれはと思う。
終わって速やかに着替え、1分でスタジオを出た。
家に戻ってみると10分ぐらい余裕があり、油断したまたチケットを忘れそうになった。
そうして向かう次の予定といえば、かき氷なのであった。
店員さんに予約確認をされず通されたので心配になり、帰りがけに尋ねたら、どうやら顔と名前を覚えられてしまったらしいとわかった。もう、今後、堂々とするしかない。
劇場で食べるための弁当を買いに、三越に行く。
数日前から考え、私は押し寿司が食べたいと事前に結論付けた。結論付けたのに、どの押し寿司を買うか迷い売り場を何往復もした。
母の分は、自分に母を降臨させ、季節限定の高級弁当を買った。といいながら、今日のかき氷の方が高いのだから私はつくづく日々恐ろしいことをしている。
久しぶりに歌舞伎で完全に油断し、一つ目の演目が全然わからない。チラシのあらすじを読んでもなおわからない。結局、ほとんど寝てしまったが、勘九郎の心強い所作と、珍しく人妻いで立ちの鶴松は見届けた。巳之助も米吉も良かったから、あんなに眠くならなくてもよさそうなものを。
後半は七之助の早替わり。以前見た時よりも、くるくる変わりながらもキャラ付けに違和感なく、熟練味を感じる。早替えその物の面白さは初見で済ませたから、ひとつの演目で色んな七之助が見られるのが単純に嬉しい。啖呵を切る玄人系の女が格好良くて好きだが、あざと女子も結局やむを得ずかわいい。
終演後、初めから違う路線であるため、余韻もなくすっぱり母と別れる。
昔から、母とランチやお茶をしてゆっくり話したいという思いはあるのだが、明言したことはない。母は多分、私がそういうことを望まないタイプだと解釈している。だからこそ昔は弟に専念し、その後は祖母の介護、現在は習い事が最優事項にしてきた。そうとわかっているから、わかり切ったすれ違いに寂しがるプレイみたいになっているのだった。
中年にもなって、ややこしいことである。