仮面福祉会

できることを切り売りしています

全部少しずつおかしい

駅まで歩く道で、向こうからやってくる女性二人が、それぞれえらく雑に赤ちゃんを抱えている。
ぎょっとしたが、近付いて見ると、赤ちゃんではなくモンチッチだった。
何だぬいぐるみか。なんだ、ぬいぐるみか、?

まだ、多くの店は閉まっている程の、午前である。

ピラティスに行き、回数を稼ぐべく2回続けてやる。
最後にインストラクターさんが、異動のため今日で最後です、とあいさつをされた。全然思い入れがないし、急に想いを語られ戸惑いもあったが、正直ちょっと感動してしってチョロい。

レンタルしていたロボット掃除機の返却集荷のため、帰宅。以前返却の際に来た職員さんが、引き取りサインを偉い丁寧な筆記体でしていたのが印象的過ぎてずっと覚えている。今回はいかに、と、こっそり楽しみにしていたが、何のことはない、漢字の名字がクセ字で記されていた。そりゃそうだよなと、ここで解が示され改めて、何だったんだあの人は。

任務を終え、かき氷を食べることと、祖母の病院に行くため再び家を出た。

かき氷はすっかり客足が落ち着き、心穏やかに行けるのが嬉しい。余裕ができた店員さんたちがどうやら、よく来るお客さんの話をしているのが耳に入り、ドキドキしてしまう。自分もうっかり覚えられて知らんところで話題になっていたらどうしよう、という自意識。

病院に着き受付を済ませ、エレベーターを待っていたら、両親が来た。病室には2人ずつしか入れないから、先に入らせてもらう。
数日前からモルヒネ系の投薬が始まったと聞いていたから、顔だけ見られれば良いかと期待せずにいた。果たしてすっかり起きる気配はなかったが、頬を触り耳元で呼びかけると、何となく反応があるように見える。どこを触っても冷たいし、手がむくんできていた。
しばらく後に、父だけが先にやってきた。父は、自分が知る限り昔から祖母への当たりが強かったが、さすがに労わり優しい声掛けをしており、いよいよであるなと感じる。
先に病室を出て母と入れ替わり、2人を待って車に乗せてもらう。

帰る道すがら、母がこの数か月、コロナになり、食欲と体力が落ち、駅で転び、手の靭帯を損傷し、療養していたのだという話を聞いた。頭ではわかっていることだが、両親もちゃんと、高齢者道を進んでいる。改めて、肝に銘じ気持ちも物理も備える必要がある。

オーケーで豆と豆乳を買って帰り、明日の朝用のスープを作り始めたが、具が、玉ねぎと豆しかない。こんな貧しいものだったろうかとしばし考え込み、かぼちゃを買うはずだったことを思い出した。