仮面福祉会

できることを切り売りしています

突如現れる花道

ベッドの抜け殻である段ボールをまとめ、資源ごみに出す朝。部屋が狭いことには変わりがないが、何だかさっぱりとした。

12月の頭にやる会合について、他の部署の人々と打ち合わせ。気付くと先頭を歩きがちなせっかちが発揮され、4月に外から来た自分がぐいぐいと押し進めてしまっている。あまりにも意見がすいすい通るので、責任を取れるか、ちょっと心配である。

終えて、元所属の本部に、中間報告と年末調整提出のために出かける。
ここに就職した時の上司が相手で、何でも聞いてくれるから良い気になってあれこれ話す。あれこれのうちには、同僚のみなさんの、結婚出産育児家庭の雑談が聞こえてくるのがしんどい、という内容すらあったが、それはピンときていなそうだった。

昼に面談を終え、その上司を中心とした先輩女性陣とランチに行く。みなさんと話すのは楽しいしありがたいが、正直近くのかき氷をやりたかったとも思っており、外食を人に合わせる残念さとの天秤が揺れる。

派遣先の仕事は楽しいかと、絶対に聞かれる。そのたびに「楽しい」とはどんな感覚のことを差すのだろうと面倒くさいことを思い、回答が曖昧になるから、嫌だ。
毎日自転車をこいで街の人に会い、皿を回したりクロッケーをしたりするのが楽しそうに見える。ただそれだけのことだろうと、わかってはいる。しかし例えば自分の子どもをディズニーランドに連れて行き、一緒にアトラクションやパレードを楽しんだとして、子育てが楽しい、という総合評価にはならないだろう。
自分がめんどくさいのはともかくとして、みなさん明るく気持ちの良い先輩方でありがたい。もっと若い職員とランチしたかったでしょうと自虐的なことをこれも手癖のようにおっしゃるが、先輩との方が気楽だし、もうあと何年もすれば、年上の皆さんにちやほやしていただけるのも今のうちである。

夕方、行政主催の啓発街頭キャンペーンの人員に駆り出される。
使用許可を取った道の範囲に対してあきらかにスタッフが多く、駅に向かう人々をアーチでお迎えするみたいになっている。更に近くの学校が文化祭のチラシをぐいぐい配ったりもして、カオスだ。
さすがに申し訳なく、民生委員さんたちの機動力が飛び抜けているのにまかせ、端っこの方でチラシを掲げ、行政でーすと言うにとどめた。

事務所まで戻る自転車が寒い。
寒いのに、昼に食べられなかったかき氷の思念のせいで、ファミマでブラックサンダーフラッペを買ってしまう。

湿度計は「カイテキ」を示しているが、どうも体が乾燥してこわばっている。
掛け布団をもう一枚出したら、夜中に寝苦しくて起きた。