仮面福祉会

できることを切り売りしています

校長御用達のテーラー

駅に向かう間、常のどこかで家を建てている。ガワができると周りに布が張り巡らされ、どこのメーカーなのかが明らかになる。
最近、Z空調が現れた。
家を囲むサイズの布に、CMに出ている俳優さんの写真が印刷されている。布だから角度やたなびきによって、全く別人の顔になるときがある。これが自分の顔だったらと考えたらすごく恐ろしいし、見れば見る程、変な光景だ。

同じように、店の外装で窓前面に人の写真が貼られた建物がある。
それがちょうど細い道の突き当りにあるものだから、通りかかってふいに目に入るたびに、進撃の巨人かと思ってギョッとするのだった。

午前、中学校に用事があり行くと、校長先生が対応してくださる。
ジャケットにネクタイ、スラックスという、極普通の形の仕事服を着ているが、その一つ一つが全部柄物なうえに色がある。サンプルが少ないが、校長先生という人物は、選び取るのにかなりの経験を重ねる必要がありそうな、組み合わせと配色の服を着ているイメージがある。
校長室に置かれたデロンギのコーヒーメーカーで、自ら淹れてくださったコーヒーをいただきながら、突っ込みどころの多過ぎる話を、平熱の顔をして聴いた。

午後は、今後やる予定のイベントの主催者さんとの、意思疎通のできなさを味わう。

仕事を終え、楽器の練習。初めて行くスタジオで、入るなりタバコのにおいが充満している。煮詰めたような中年バンドマンたちと入れ替わりドキドキしたが、設備自体は問題なく、店員さんが朗らかに迎えてくれて助かる。
人前で吹くのに備え、無理に無理を重ねる曲の吹き方をしているせいか、すぐに疲れてしまう。室内の時計を見て5分前には全て片付けてしまったが、自分の時計を見たらまだ10分あった。

帰りにオーケーに寄り、弁当用の何かしらを作るつもりで豚肉を買った。表示されるグラムと実物を見ても、自分に必要な量がわからない。全部多く見えるから、一番安くて少なそうなのを選んだ。

風呂場にスプレーするとカビを防止できる、という触れ込みのヤツを、少なくとも3本使いきった。4本目のつもりがしかし、最寄りのどのドラッグストアにも置いていない。もしかして、効果がないのか。