夏休みをとっている。ゴミ出しもなく、朝一の心配が何もないのは、わかりきっているのにいつまでも嬉しい。
休みの目的は、限定のかぼちゃのかき氷を食べること。
目的の店が開く5分前に着くと、既に長い列ができていた。2巡目狙いだったのでむしろちょうど良い。整理券をもらい、涼しい商業施設のソファで、本を読みつつ呼び出しを待つ。
この店に来る夏は3度目となった。毎年食べているかぼちゃであるが、多分一番おいしかった。
そこから30分程歩き、2店舗へ。こちらもちょうど開店するところで、1巡目の最後ぐらいに滑り込む。先に入ったお客さんの様子を見ていると、多くの人がパスタ+ミニ氷という頼み方をしている。かき氷を一食とはみなさない勢の需要にマッチした店だというのが、人気の理由なのかしらと気付く。カウンターから調理の様子が見えるから、パスタってあんなにすぐできるもんなのかと眺めていた。しかし思い返してみれば私は、学生の頃スパゲティ屋で一年バイトしていたのだった。朝でほとんど固定客だったから店長がフライングで作り始め、ホールの自分が逆に気まずくなるぐらいの提供が速かった。
先ほどのかぼちゃはちょっとタイプが違い、これもまたおいしくて内心小躍りをした。あと、トッピングのラム酒チーズクリームが最高で、大事に食べた。
こうして12時過ぎには全ての目的を果たし、充実感に満ちた。
この間美容院で、ストレートアイロンがないと理想形にならないとわかったので、ヨドバシカメラで信用できる程度に安いものを買った。今日食べたかき氷とほとんど値段が変わらない。自分の価値観を確かめるようだ。
それ以上行くところも思い付かず、15時頃帰り、床に転がってうとうとした。途中でコープがやってきて、初めて配達員さんから直接受け取った。毎回インターホンを鳴らしてくれてたんだな。
受け取ったミールキットをすぐに作り、明日以降に備えた。
珍しく上手に休暇をやった気分だが、こんな人生でいいんだろうか。