仮面福祉会

できることを切り売りしています

ゆりかごから墓場の途中

雨雲レーダーを確かめる毎日。

由あって、地域でも有数の、ゴリゴリのタワマンに入った。
身長の三倍はあろうかというエントランスに、まずオートロックのインターホンがある。相手に通してもらって中に入ると、壁にライン上の灯りがともるのみで、暗い。そしてどこからか水音が聞こえる。状況をテキスト化するとむしろ心配になる普請のようだが、高級感の演出の話である。エレベーターに乗ると、1階と11階のボタンしかない。戸惑いながら11階でエレベーターを降りるとガラス張りで、儲かっている会社のオフィスのよう。そして再びオートロックのインターホンがある。2回も呼びなさないといけないのか。仕組み上やむを得ないのだが、申し訳ない気持ちになる。戸惑う間ヤマト便の人が入っていき、後ろから、暗い中にコンシェルジュがいると思しきカウンターが見えた。
結局目的の相手がそこまで降りてきたので、中に入ることはできなかったが、こんな住居で生活している人もいるんだなと、大変に勉強になった。勉強にはなったが、個人的には、何だか面倒くさそうだし、わざわざ上乗せしてお金を払うほどの価値は感じない。ここに住みたいとは思わないが、ここに住めるだけのお金があるのは、羨ましい。
エレベーターホールで待つ間、足元の角の部品が剥がれたのを、養生テープで貼ってある箇所をずっと見ていた。

自転車で常駐先に戻り、相談会。相談会はどこでも、そこでやる催しに組み込ませてもらっているのだけど、ここでやるときはいつも、その催しのスタッフとして、当たり前のようにカウントされているのが、納得できていない。それが故に、ペアの子とふたりで出られるスケジュールであっても、1人しか行かないという小さな抵抗をしている。
のだが、今日はボランティアさんがブッチしたとかで、明らかに無理なのが見てわかったので、やむなく2人で乳幼児の相手をした。
いや本当に、それ自体は全然嫌ではないのだ。本能のまま行動するジュニアたちを見て、どんな子どもに育っていくのか、ADHDとか発達障害とか言われるようになるのかな、とか考えていた。
途中でザンザンの雨が降り出し、中にいる時で良かった。

午後は青年会議所の人々との打ち合わせに、電車を乗り継いで向かう。
青年会議所は40歳になると強制卒業だというから、相手は20~30代だが、全員会社経営者であった。目の前に座る人は特に若そうで20代に見えたが、広げているノートパソコンに貼られているステッカーの中に、GLAYの30周年ライブのものがある。実はアラフォーなんだろうか(多分、ビジュアル系が好きなだけ)。
起業するということの行動力とか先見性とか経営力とかの前に、自分に「会社を作る」という行為の知識が全然ないから、手続を知っていることそのものに、すごいなと思ってしまう。だから、若いのに、という前置きは、あんまり関係がない。法人登記とかどうやってやるの?取締役って結局なんなの?

帰宅して、半分残っていたホットケーキミックスを、焼いた。パッケージに、牛乳と卵なし、水だけでもOKと書いてあったから、手順を忠実に守りつつ、粉と水で作った。ホットケーキというより、パンだな。という、剛健さのある食べ物ができあがった。