仮面福祉会

できることを切り売りしています

楽しかった思い出が行方不明

安眠の不在だと思いながらのそのそと起き上がる。暑いのもあるが、寝入りばな急に仕事のあれこれを思い出し、取りこぼしがあるのではと気が気でなくなった。

出勤してそれらを確かめてみたら、小一時間でこなせる業務量だったのでなんのことはない。不安というのはやっかいなものだ。

 

仕事を終え、一億年ぶりに居酒屋へ行く。もとは、かつての上司に仕事の相談でもしようかと誘ったものだが、後輩二人も呼んで、結局彼らが話すにまかせてしまった。上司の昔話は初めて聞く分には良い情報だし、後輩も勝手に話してくれるので楽して聞いてばかりいた。申し訳程度に仕事の構想を話すも、いいんじゃないやりなよと言われたのでそれだけで良しとする。相談というか、言質が取れればいいのだ。

時間を過ごしながら、かつて色んな単位で飲んだり遊んだりしていたことが思い出されるが、もはや夢だったかのようで信じられない。何より、面倒くさそう過ぎて全然やりたくならない。親しくもない人々との交流は相手の機微を探るのが本分であって、大勢になるほど合戦の様相を帯びる。それなりに楽しみを見出だしていたからやってたのでしょうが、その楽しさだけが思い出せない。飲み会の後はたいてい反省会だ。

 

ひとまずお酒で具合が悪くならなかったことに安堵しながら帰る。寝ようとするとやはり手足が熱い。良くないとわかっているが足元にサーキュレーターを置いて風を受けられるようにし、100分で名著の「砂の女」を聞きながら寝る。安部公房怖い。