仮面福祉会

できることを切り売りしています

思ったまま、がわからず探す

雨がひどいのでTevaのサンダルで出勤する自由。
何年か前から強い雨音が怖い。多分震災のあとから。
職場についてパンプスに履き替える節度。

60代後半の職場の先輩とお茶をしていて、人に思いを素直にぶつけたことがあるか?と言う話になった。忘れているだけかもしれないが、物心ついた後の記憶にはない。でも、相手に嫌がられたり負担をかけたりしたくない、という考えのほうが勝つのは、普通のことではないのかしら。例えば歌舞伎のように、必死で口説いたり取りすがったりする人は、現実にいるんだろうか。

オフシアター歌舞伎というのをやるそうだ。ライブハウス、倉庫、パイプイス、という会場でやるとのこと、かっこよくて面白そうだが、90分で11,500円はちょっと出せないかなと思いとどまる。コストを考えたらやむを得ないのだろうけど、厳しいな。

上演される演目「女殺油地獄」は仁左衛門の当たり役で、今回は獅童だし、海老蔵やら幸四郎やら、花形立役がやりがちである。
壮絶で美しい殺しの場面が見どころなのだけど、個人的にはあんまりピンと来ていない。油塗れになりこけつまろびつ必死で殺そうとする者と逃げる者、という場面が長すぎて、この人たちはいったい何をやってんのかなと素になってしまう。見たのがいまいちだっただけかもだが、多分自分は近松ものがあんまりなんだと思う。登場人物の行動や機微に現実味を感じない。
ただ、ポスターとかで1カットを切り抜くとすごく絵になるし、狭くて暗い所でやるのは臨場感があって良いかもしれない。

狭くて暗いライブハウスでやるんだったら、いっそ志賀山三番叟など古典舞踊を見てみたい。松羽目物(能・狂言が原作の物)で、うっそりとした緊張感が出る演目がいいな。

近松ものはだいぶしつこいが、歌舞伎の人たちのように、ノーガードで生身のままぶつかっていく、食い下がる、ということを、ここぞという時はしないといけないな。聞き分けがいいからといって歓迎されることばかりではない。