仮面福祉会

できることを切り売りしています

身内だからこそ見せない手の内

父親が、桜の森のシネマ歌舞伎を見に行こうとしているらしい。
坂口安吾だからだそうだが、そういうルートもあるのか。うん、坂口安吾はいいよね私も好きだ。

父はいわゆる昭和の若者だった団塊世代で、本をよく読みレコードを買って聞きギターおよびバイオリンを嗜む人なので文学にも音楽もそれなりに詳しい。ということは知っているのだが、文化的な交流の少ない関係だったのであまりそういう話をしたことがない。
途中まで同じ生活の中で生きていたはずなのに、関係ないところで知って同じものを好きになっているのが、不思議でもなんでもないはずだが不思議だなと感じる。
自分が幼児だった頃に死んでしまった祖父の司馬遼太郎の本を見付けた時にも同じように思った。司馬遼いいよね。祖父とか父とか子とか孫とかいう関係性がなければ、ということを夢想する。

しかし歌舞伎の桜の森が父にとって面白いかといえば大変疑問なのでとても心配です。自分が好きなものでつまらない思いをしてほしくない。

いよいよ今週私はこんぴら歌舞伎に行くのだ。
人生最初で最後かもしれない中村屋のこんぴら歌舞伎。番所繰り合わせているが万全の態勢で臨めるか心配だ。GWではなく今、一週間休みたい。
あんまり意気込み過ぎるとうまくいかなかったときに大変落ち込むので程々にしたい。
コンタクトを片方なくして新しいのが届かないままだし。