仮面福祉会

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大体散るのが早すぎる

今日の仕事で今年度のイベントが終わった。あとは清算と報告をする。何の職種でもやらなければならない地味なことは同じでこれが仕事だなと思う。

怪談乳房榎という演目がある。もとは落語の怪談話だということだが、歌舞伎としては怪談要素は全然怖くなくて、売りは早変わりと本水を使った滝の立ち回りなのだ。そういうわけかどうか、キャラクターは二の次という感もあり、特に女の人に自我がないところにいらいらしてしまうので、個人的にはそんなに好きではない。

ただ冒頭が向島の隅田堤ということで、隅田川沿いの桜の場面で、浅草に行くとああこの眺めだなとわかる舞台が広がっているので、それが面白い。何年か前に赤坂で中村屋がやったときには、長命寺の桜餅を小山三さんが茶屋で売っている演出がされていて、あとで買いに行ってこれかと思った。
その後の場面は高田馬場だったり落合だったり赤塚だったり、わりかし親しみ深い地名が出てくるが、例えば大立ち回りの滝がある場所は新宿だとか言われても全然面影がないので本当かと思う。そういうことで浅草やらはあれでも景観が残っている方なのだな。というか多分昔から町だったんだな。

浅草はそれと待乳山に行くのが歌舞伎コース。
というかこう振り返ってみると隅田川や浅草周辺だけでよくあれだけの種類の演目を作れるもんだと感心する。

咲くか咲かないかわからないのに花見の計画をしてやきもきするのが不毛だ。いい天気だし桜もちょうどいいしちょっと見に行ってみようかという程度のお付き合いをしたい。