仮面福祉会

できることを切り売りしています

単に馬が合ってありがたい

ちょうどよい関係性がほしい。

歌舞伎の世話物ではよく長屋が出てきて、近所の人が出たり入ったり行き交っている。いだてんでもその辺の人たちがみんな気軽にしゃべったり家や店に上がったりしているように見える。
舞台やテレビで見ている限りでは、楽しそうでいいなと思ってちょっと憧れたりもするのだが、本当にこんな風な時代があったんだろうか。本当だったとしても、陰口叩かれたりはぶかれたりして実は居心地悪かったりしたのかな。

シェアハウスに住んでいるので、赤の他人と暮らしを共にしている。家族ではないし友達でもないが、ある意味家族以上に無防備でもある。
一番独特だなと思うのが、自分のためだけの生活を互いに知っている、というところだ。
例えば自分が作った料理だったり、他人の掃除の仕方だったりを見ているが、各々することなので干渉はしない。同居や同棲だったら、掃除の仕方とか誰が何をするのかとかで揉めたりもするんだろうけど、あくまでも他人、というラインがあるので淡々としており面白い。そして他人の生活から学ぶことも多い。
かつての近所付き合いに似てるのかなとも思ったが、一時的に協力し合う人たちという感もあるのでちょっとドライすぎるか。

ひとりは自由で気楽といえばそうだが、多少煩わしくても他人との関係性はあったほうが、健全に生きられるような気がする。単純に、死にたいような気分になっている時に、他人がいるととりあえずしゃんとせざるを得ないとか、利害はないが中身もないような会話ができる人がいるというのがいい。たまたま良い人に巡り合っているだけなのかもしれないけど。

誕生日に何もできなかったという話をしたら、バーモンドカレーとガトーショコラを作ってくれるというので、フルーツポンチを追加して小学生みたいな誕生日会をした。